拡大読書器はものを大きく拡大して見るための器械です。大きな据置型と小さな携帯型があります。拡大率は3倍から50倍くらいを自由に変えることができ、コントラストを強調することもできます。また、白黒反転機能があります。目の状態によっては、白地に黒の文字よりも黒地に白の文字の方が見やすい場合があるので、とても便利です。高価ですが、身障手帳を持っている方は、日常生活用具としての給付を受けることができます。
文庫本や単行本の字が小さくて読めない人でも、本の字が大きければ拡大鏡を使わなくても読むことができます。高倍率の拡大鏡が必要な人も、低倍率のもので楽に読むことができます。それが大活字本です。黒地に白の大きな文字で印刷された本もあります。最近は、同じような表示を、電子ブックでできるようになっています。音声読み上げ機能が使える場合もあります。読める本のリストも増えてきて、これからが楽しみです。
黒い紙やプラスチックシートに、行幅くらいの細長い窓を一つまたは数個空けたものです。その窓に文字を入れて、読んだり書いたりします。すると、前後の行が隠れ、読みやすくなります。書く時には、記入枠に窓を合わせることで、はみ出したり曲がったりせず、重ね書きを防ぐことができます。また、紙面の反射を防ぐ効果もあります。便箋や封筒用にデザインされたものが、視覚障害者用グッズの販売店にありますが、黒画用紙などで自作もできます。
あるときは見えたのに、あるときはよく見えないという場合があります。それはしばしば照明が原因で起ります。何か作業をする時には、部屋が暗くないか、作業スペースが影になっていないかを確認しましょう。自分の頭の影になって暗くなっていることもあります。手元だけを照らす照明があると、作業がはかどるでしょう。逆に明るすぎると、まぶしくなる場合もあるので、自分の見やすい明るさに調整することが大切です。
まぶしさを強く感じる人は、白い紙に文字を書くときにも、紙がまぶしく、よく見えないと感じることがあります。そんなとき、サングラスや遮光眼鏡でまぶしさを防ぐという方法もありますが、黒地のノートに白いペンで書くと、見やすくなることがあります。白いペンや黒い画用紙は文房具店に、黒地のノートは、視覚障害者用グッズの販売店にあります。ちょっとしたメモでも、このような工夫で見やすくなることがあります。
黒地ノートに白ペンで書くと見やすい場合がありますが、同じように黒背景に白文字のカレンダーや、黒いまな板で大根を切ったりすると、見やすい場合があります。このカレンダーやまな板は、視覚障害者用グッズの販売店で扱っています。また、牛乳を飲む時に濃い色のカップを使用したり、ご飯茶碗を濃い色のものにすると残りの量がわかりやすくなります。このように普段使用している道具でも配色に気をつけると見やすくなります。
視覚障害者用に作られた商品は、高価だったり近くに販売店がなくてなかなか買えません。でも、近くのホームセンターや100円ショップなどでも、案外、代わりになるものを見つけることができます。例えば、突起シールは滑り止めシールが代わりになりますし、老眼鏡や拡大鏡も度数が合えば使えます。もちろん専用に作られた物より質が劣るかもしれませんが、役立つこともあります。身近なところから役立つものを探してみましょう。